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執筆者: 楠瀬(くすのせ)太郎弁護士
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Seattle, WA 98101
Phone: (206) 624-1230 Fax: (206) 340-2563
楠瀬太郎はワシントン州弁護士免許を有する日本語と英語に堪能な弁護士です。
1方の当事者が相手側当事者のビジネスと競合しないことに同意する両当事者間で取り交わされる契約は「競合禁止同意書」または「非競合協定」と呼ばれています。通常、当事者は特定期間中または特定地理的範囲内で互いに競合しないことを協定します。このような協定は、通常、1) 企業の売却、2) 雇用協定という2つの状況下で生じます。企業の売却においては、「非競合協定」は売買契約書によく表示されます。雇用面では非競合条項は雇用契約書の個別の項目によく見られます。

いずれの場合も、1方の当事者側に相手側当事者に制限を課したい理由があります。たとえば、ある企業を買収する場合、買い手にとっては、売り手が一転して類似の商売を始めたり、競合他社を補助したりしないことが重要です。売り手による新たな競合関係が買い手の最新購入物の価値を著しく低下させるだろうことは理解に難くありません。雇用面では、雇用者には従業員に彼らの退社後もライバルとなる事業を開始しない、または競合他社のために仕事をしないことに同意させたいという動機があります。従業員が雇用関係中に得た情報や獲得した技能を使って、先の雇用主に損害をもたらすのではないかと危惧されるからです。これは正当な危惧であり、特に雇用主が当従業員の訓練に少なからぬ投資を行った場合や、従業員が顧客リストなど決定的に重要なビジネスデータにアクセスがある場合には、ごく妥当な懸念と言えます。

企業売買に起因する非競合協定は、雇用の文脈で生じる誓約とは著しく扱いが異なります。州議会(および裁判所)は、企業売買に起因する非競合協定はそっとしておく傾向にあります。この傾向は、企業売買の両当事者は共に比較的「世慣れて高度」であり、かかる協定に署名することによって得たり失ったりする権利をよく理解しているという仮定から生じている面があります。それはまた、取引における制約そのものの性格にも起因します。売却は1方の当事者の競争からの撤退を意味するものであり、企業の売却ではたいてい当事者間の競合はさほど考慮されません。

それに対し、州議会(および裁判所)は雇用者と被雇用者との文脈では非競合協定の適用を禁じたり制限することが多いといえます。州議会は雇用における非競合協定を制限する法律を制定するよう精力的に活動してきました。非競合協定が一般的には企業売買の一部として認可されているにもかかわらず、たとえばカリフォルニア州では雇用文脈における非競合協定は総じて禁じられています。雇用面での扱いのこのような温度差は多くの要因、たとえば雇用者と非雇用者間の知識のレベルの相違や交渉上の相対的な立場における両者の受け取り方の違いなどに起因します。

たとえば、1人の新入社員が入社するたびに、雇用者はその弁護士に非競合協定書を作成させ契約書を改訂し完璧なものにする機会が得られます。このような協定は新規店舗のマネージャー(従業員)が雇用者の元を去ってから2年間は、半径100マイルの範囲内で当雇用者に競合しないことを要求するかもしれません。他方では、被雇用者はこの種の制約に生まれて初めて遭遇する可能性もあります。そして、率直に言ってそれが何を意味するのか理解できないかもしれません。それに気付きさえしないこともあります。また、潜在的な被雇用者はできるだけ迅速に職を見付ける必要があるため(正しいか正しくないかにかかわらず)、どんな制約事項でも受け容れざるをえないと被雇用者は感じるかもしれません。

州議会はまた、元従業員に対する制約は競合他社が人材を得ることを阻止する限り、それが本質的に反競争的であると認識しています。最後に、州議会は何よりもまず、たとえ被雇用者が制約事項に同意したとしても、被雇用者の生計を立てるための権利を奪うような制約を強制することを好みません。このような公共政策への配慮がたとえばカリフォルニア州議会のような州議会に雇用文脈における非競合協定を禁止させたのです。

州議会が雇用文脈において非競合協定を禁じてはいない州においても、かかる誓約の妥当性を審議する判事たちは常に公共政策への配慮を念頭に入れています。雇用主がそれを強制しようとすれば、判事は契約の見直しを要請されることになるかもしれません。

一般的規則としては、雇用文脈における非競合協定は、特殊な研修への投資や企業秘密や機密なビジネス情報、顧客リスト、善意もしくは名声の保護など狭義の合法的雇用者利益を正当に保護する範囲内においてのみ許容されると言えます。雇用文脈における非競合協定を審議する際に、判事は以下のような質問をする可能性があります。
  1. 特定従業員の将来の活動を制限する合法的な理由がありますか?雇用者が相当な時間と金を高位の従業員の研修に費やすことが予測され、当従業員に機密事項を取り扱う窓口やもうけ話を託す予定である場合には、おそらく「理由がある」ことになります。このような従業員は、競合することによって容易に(そして不当に)雇用者に損害を与えることができます。これは判事に、雇用者には非競合協定を結ぶ合法的なビジネス上の理由があると判断させる要因となります。その1方で、ある受付係にこのような契約書に署名させるのは、合法的なビジネス目的に適っているとは言えません。
  2. 契約は妥当な期間に限定されていますか?ことによっては1年間の制限は理に適っていても、2年間は不当かもしれません。
  3. 協定は妥当な地理的範囲に限定されていますか?非競合協定の対象範囲には、半径3マイル、半径50マイル、指定国、または米国西部などがあります。
判事は上記3つの要因をすべて合わせて検討し、非競合協定が妥当か妥当でないかを判断します。各州はそれぞれ判事が特定の非競合協定が妥当か否かを判定する際に有用な判例の歴史を持っています。これらの判決は州によって異なっており、ある州では妥当であっても他の州では妥当ではないと見なされる可能性もあります。

非競合協定が不合理に制約的であると判断した場合、判事は非競合誓約のすべてを廃棄する可能性もあるし、またはその範囲だけを変更して「妥当な」ものにすることもあります。繰り返して言うならば、判事が行うのは、従うよう要求されている裁判所の判例に従うことです。

結論的には、ある州では雇用文脈における非競合協定は明確に禁じられており、他の州では認められてはいても、判事は不当に制限していると考えるどんな非競合条項にも反論するということです。
 
お断り: 上記は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、法的勧告もしくはそれに代わるものと見なされるべきではありません。このコラムは、執筆担当者と読者の間に、弁護士とクライアントという関係を意図するものでも、そのような関係を築くものでもありません。ここに含まれている内容は概括的なものであり、あなた個人の法的なまたは事実に基づく状況には適合しないかもしれません。何らかの行動を起こされる場合は、必ず専門家に相談するようにしてください。

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