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執筆者: 酒井謙吉
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技術翻訳やビジネス・コンサルティングを主要業務とする Pacific Dreams, Inc.
翻訳されてきた文書を校正する立場で長年仕事をやってまいりましたので、今までに数多くの翻訳者の行った翻訳を見てまいりました。それら翻訳者のスタイルを見てみますと、大まかに言って、直訳調で翻訳する方と、意訳調で翻訳される方の2つに大別されるような気がします。「直訳」と「意訳」、それぞれに一長一短があるのは明らかでありまして、常に直訳でなければならない、あるいは意訳でなければならない必要は毛頭ないと私は考えています。そして私としては、技術翻訳を長年やってきた者の立場から言って、基本的にはやはり「直訳」で行くべきではないかと思うのです。少なくとも、翻訳をしている中で迷いが生じた場合には、「直訳」に戻るべきだろうと思います。今月はその理由をお話してまいりましょう。

翻訳と一言にいっても、本当に様々なジャンルとニーズとが散在しています。テクニカルマニュアルや技術書などの翻訳であれば、言うまでもなく、書かれてある技術内容を適切な専門用語や業界用語を駆使して忠実に翻訳していくことが要求されます。翻訳者が勝手な技術用語を使ったり、創作したりすることは許されません。その意味では、技術翻訳とは、まさに直訳調であることが必須前提条件になります。

それでも、装置や機器の取り扱い方法やメンテナンスについて書かれてあるマニュアルですと、必ずしも直訳だけで一点の曇りもない明快な翻訳が可能であるかというと、確かにそうはいかない問題点がそこには生じてまいります。ある程度説明し、補助的に言葉を付け加えてあげることによって、より自然でスムースな流れの翻訳が生まれてくることがあります。これは、もはや直訳であるとは言い切れなくなりますが、かといってまったくの意訳とも明らかに異なります。現実的には、このように直訳と意訳の間に位置するような翻訳になるケースが多くなるわけですが、それでも翻訳するスタンスとしては、あくまでも直訳の方に近づける努力を怠らないというのが私の考えている翻訳方法論です。

日本には、いくつか翻訳を教えている専門学校や通信講座による翻訳の添削教室などがあります。その様な学校や添削コースを受講してきた方々が時どき弊社にも翻訳者の仕事を求めて応募されてきます。弊社での採用時には、すべて一律に共通の翻訳テストを受けていただき、その方の持っている翻訳レベルを見ることになっています。驚くことには、その様な学校やコースを恐らく優秀な成績で終了されてきた方ほど、「翻訳=意訳」という等式をお持ちのようで、私の考えている翻訳と相反する結果をもたらすことになってしまいます。

これは私の想像でありますが、翻訳専門学校では、日本語と英語の構文構造の違いを強調して文章の訳する順番を大幅に変えるような指導がなされているのではないでしょうか。確かに文学作品などではその様な訳し方のほうが翻訳者としての味が醸し出されて面白いのかも知れませんが、技術翻訳やマニュアルなどでは、著者の思考や論理の流れがその様な翻訳では寸断されてしまい、目指すところの著者の意味が霞んでしまうことが見受けられのです。

翻訳する作業というのは、原文の著者の書いた文書を忠実に他言語によって再現する作業にほかなりません。つまりそれを行う翻訳者には、原文を勝手に変えたり、意味を強調し過ぎたり、論理を飛躍させたりする自由はまったくもってして許されない行為であるといえましょう。そのあたりを取り違えて、意訳することのできる翻訳者こそが高度な技術を持った翻訳者なのだと、とんだ錯覚を抱いている方が時折いらっしゃいます。翻訳したら、原文よりもはるかに出来のよい文書になっていたというのも、やはり翻訳者としては忠実に翻訳の仕事をしたということにはならないでしょう。しかしながら、現実的には、良い翻訳文書を期待していたクライアントにとっては、その期待を裏切ることにもつながってしまい、これはカスタマー・サティスファクションの面から見ると矛盾した問題が出て来てしまうことも事実であります。

私たち翻訳者は、機械やコンピューターではありませんので、何でも馬鹿正直に右から左に書かれてある言葉を英語から日本語にすればよいという単純な仕事をしているわけではないのです。クライアントであるお客様とコミュニケーションを密接に取りながら、お客様のニーズと状況とにピッタリとマッチさせる翻訳を提供する努力は当然必要であると思います。先日、ある半導体回路設計会社のホームページの翻訳を行ったときのことです。技術的に相当高度な内容のホームページであったために最先端デバイスの専門用語も数多く、大変苦労したのですが、ホームページを作成された担当の方は直訳ではない翻訳を求めておいででした。ですから、私たちも専門用語だけはきっちり押さえ込んで、あとは比較的自由な裁量の中で言葉を選び翻訳をさせていただきました。その結果お客様からも大変満足してもらえる内容とすることができました。これは、むしろ私どもにとっては、例外的なアプローチでありましたが、お客様とのコミュニケーションをより重視した貴重な仕事を経験することができた次第です。

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