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執筆者: 酒井謙吉
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実務翻訳の世界で今起こっている翻訳業務の大きなトレンドのひとつとしてあげることができるのが、ソフトウェアの翻訳です。実際にアメリカで作られたソフトを日本語化するためには、翻訳のみならず、言語上のプログラム処理やGUI(Graphic User Interface)の変更など、日本語バージョンが生まれるまでには、気の遠くなるような作業工程が続くものです。

翻訳作業はその一環に過ぎないのではありますが、それでも日本語化していく工程の中では、翻訳工程は最も多くの時間を要し、作業量が最も多いのが普通です。ですから、翻訳を終えれば、ソフトウェアの日本語化の恐らく7割から8割はすでに終了できたといっても過言ではないと思います。ソフトウェアは通常、コンピュータの画面に出てくる文章や表示の翻訳ですので、普通の翻訳とはまた異なったテクニックがそこには必要となってきます。

例えば、よくあるのが日本語にした場合に文字数が多すぎて指定の枠内に収まりきれないというようなことが起こってまいります。日本語は、ダブルバイト文字をもつ言語でありますので、ただでさえアルファベットに比べて1文字当りのスペースを余計に必要とします。コンピュータやソフトウェアで使われる用語は、カタカナ語としてそのまま使われることが多いため、どうしてもアルファベットよりも多くのスペースを占めてしまうという傾向にも見舞われるものです。

そのため、ひとつの苦肉の対応策として、コンピューターとは書かずに「コンピュータ」、ブラウザーではなく、「ブラウザ」にするなどとできるだけ短くカタカナ語を表記するようになっています。このような表記は、どこにでも通用するというような市民権を得ているわけではありませんので、翻訳上でも普段文章を書くときにでも使い分けをする必要は出てくると思います。しかしながらソフトの翻訳ばかりを続けていると、職業病とでもいうのでしょうか、知らない間になんでもかんでも短くして表記してしまう癖のついた自分を発見し、あとで人から指摘を受けて恥ずかしく思うこともあります。

もうひとつ重要なテクニックとしてあげられますのは、言葉の統一です。これも「サーチ」と訳をするのか、それとも「検索」とするのか、もちろん表現している中味はまったく同じことなのですが、用語としては常に統一しておかなければ混乱のもとになります。本当の話なのですが、画面上では、サーチとなっているのに、マニュアルには検索となっていて、しかしどこにも検索という言葉が画面上にはないので、一瞬考え込んでしまったというようなことも実際にあったことでした。

訳語としての言葉の統一や表記方法の統一などをまとめたガイドラインをスタイルガイドとソフト業界では呼びます。例えば、マイクロソフト社では、なかなか素晴らしいスタイルガイドを自社で作成しておりまして、翻訳者でなくとも、文章を書くことの多い方にとっては、とても参考になるような内容になっています。残念ながら、ウエッブサイト上で一般にオープンされているわけではなく、したがいましてダウンロードもできないのではありますが、さすがに世界を席巻しているソフトウェアの最大手企業だけありまして、マイクロソフトのスタイルガイドは、すでに多くのソフト開発会社でのディファクト・スタンダード(事実上の業界標準)となっているようです。

最近では市販の一般向けソフトを購入しても、マニュアルらしきものはほとんど付いてこなくなりました。その代わり、ヘルプ・ファイルと呼ばれている画面上でその都度わからないところが引けるようなシステムとなっていますが、必ずしもヘルプ・ファイルは紙のマニュアルに比べて使い勝手がよいとはいえないのが現状です。それは、白い紙の上とは違って、ヘルプ・ファイルのスペースが限定されているからです。その限定されているスペースに対してかなり無理をして説明内容を押し込まなければならないということで、翻訳者泣かせの代物でもあるわけです。

私は、古いタイプの人間であるからなのでしょうが、まだまだ紙のマニュアルがついているソフトウェアの方に愛着を感じます。ソフトウェアの中でも装置や機器についてくるようなソフトについての取扱説明書に関しては、紙のマニュアルはまだまだ健在のようでして、そのようなマニュアル翻訳のご依頼は私たちにとりましてもしばらくの間は絶えることはまだないものと考えています。

世界で使われているソフトウェアの多くは、アメリカで開発されています。2000年度の統計ではありますが、日本から海外へ輸出されるソフトウェアは約90億円、それに対して海外から日本へ入ってくるソフトウェアは、約9,180億円ということで、その開きは実に100倍以上に達しています。まさに日本はソフトに関しては、完全な入超であり貿易赤字国です。このことは、アメリカのソフト開発会社にとって、日本には大変大きなソフトの市場が存在するという事実を端的に示しています。さらに私たち翻訳者の能力が、日本の市場に入り込んでいくためのソフトの日本語化作業に重要な位置付けを占めているという事実があると思います。そこに翻訳者としての大きな励ましとプライドを、私は感じないわけにはいかないのです。

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