Shigotosagashi.com - バイリンガルのための就職情報サイト

執筆者: 酒井謙吉
Pacific Dreams, Inc.
25260 SW Parkway Avenue, Suite D
Wilsonville, OR 97070
Phone: (503) 783-1390
Fax: (503) 783-1391
www.pacificdreams.org
技術翻訳やビジネス・コンサルティングを主要業務とする Pacific Dreams, Inc.
まれにではありますが、翻訳に関するご質問などを何人かの方々からEメールでお寄せいただくことがあります。その中には、「どうしたらよい翻訳者になることが出来るのか?」あるいは「よい翻訳者になるための資質とは何か?」といった、簡単に即答することの出来ない深遠なるご質問も含まれておりました。

そこで、せっかくのこうした”Good Question”(英語の ’Good Question’ の意味は、どちらかといえば「難問」と言う意味に近いようなのですが)をいただきましたものですから、今回のテーマとさせてお答えというか、したためてみたいと存じます。

考えてみますと翻訳者というのは、確かに一種不思議な業種に属する職業人でありまして、公認会計士や弁理士のような資格制度が確立しているわけではありません。アメリカにはアメリカ翻訳者協会 (ATA: American Translators Association) という大きな翻訳者の業界団体がありまして、そこでは各言語ごとに翻訳のテストが行われ、その結果に基づいてAccreditation (認定証) が翻訳者に発行されます。

日本でも、いくつかの似たような翻訳者団体が存在というか、乱立しておりまして、それぞれがやはり似たような認定証を独自に発行しているようです。現在のところ、それらの翻訳者に対する認定証にどれだけの意味があって、実際に翻訳者を選ぶ上でいかに有効な指標となりうるのかという点について、はっきりとした統一的見解ができているわけでもありません。

というわけで、業界団体の翻訳者に対する認定証があるにはあっても、世間一般に認知されているレベルに達しているとはまだまだ言えませんし、実際のところ多くの翻訳者からも支持を必ずしも受けているという訳でもないようです。これでは、読者の方からのご質問に対して、「よい翻訳者になるためには、翻訳認定テストの受験勉強をして、業界団体主催のテストで合格をし、認定証を受け取ることです。」とズバリお答えできるほど、ことはそう単純ではないということがすぐにお分かりいただけるかと思います。

さて、前置きが少し長くなりましたが、これからが私独自の「よい翻訳者になるための資質に関する仮説」の展開となります。「よい翻訳者になる」あるいは、「よい翻訳者になるための重要な資質」に関して最も私が核心的に考えていることは、「仕事上の実務経験」、英語で言えば ”Work-based Skill “ということです。

私たちが日常行っている実務翻訳は、基本的にお客様である企業の製品やサービス、さらに製造技術や品質管理、手続き方法や契約といった点に関わる範囲がほとんどです。それらの広範囲に及ぶ実務翻訳の実際の世界で的確にしかもスピーディに翻訳をこなしていくためには、「広範囲な専門性」を持った経験豊かな翻訳者が望まれるという風にお思いになりませんか。私は、翻訳ビジネスを長年続けていくうちにそのような感慨をますます深めています。

ですから、大学で応用言語学を専攻してきたという新卒の人よりは、語学や翻訳とはまったく関係のない企業内での仕事をあまねくチャレンジしてキャリアを積み重ねてきたような人、とりたてて一芸に秀でたり、スペシャリストとしてこの道一本でやってきたというわけでもない、ごく普通の企業市民で、広く何事においても興味と深い好奇心を持ち続け、言葉や文章にこだわりを抱いているような人が翻訳者としてはとてもふさわしいものと思うように至りました。

もちろん、語学力がなければ翻訳者に不向きであるのは言うまでもないことです。ただし、TOEFLやTOEICなどのテストの点数で翻訳者になるための資質を正確にはかることもまた出来ません。英語 (語学) が好きだからという理由で翻訳者になれるかというと、決してそのようなことでもありません。翻訳者になるための資格制度はアメリカでは将来にわたってもすぐに制定されるようなことはないでしょうから、その意味では、一時的に翻訳をアルバイト的にやってみよう、あるいは自宅にいても手っ取り早く始められる仕事なのでとりあえず翻訳をやってみたいという人が今後とも後を絶たないのではないかと思います。

翻訳者になるための垣根というか、参入障壁はそれだけ低いということで、それ自体は決して悪いことではないわけですが、英語 (語学) が出来るから即ち翻訳を始めるというような短絡的な発想には、必ずしも賛成できないのです。浅くとも、幅広い専門性を持ってなるべく多くの仕事を経験してきた人には、単に語学力だけでは推し量ることの出来ない翻訳者としての貴重な資質を持っているのではないかと期待をしている次第です。

仕事探し.comはワシントン州・オレゴン州を中心にバイリンガルの人材を紹介・派遣しています。


履歴書をお持ちの方はクイック登録が可能!


優秀なバイリンガルをお探しの企業様はこちら


個人情報・履歴書のアップデートはこちら





帰国GO.com - 留学生のための就職活動サポートサイト
日本での仕事をお探しの方は、帰国GO.comへ



Shigotosagashi.com / 仕事探し.com - ワシントン州・オレゴン州の求人情報サイト

Global Career Partners, Inc.
Copyright © 2005 - 2017 Global Career Partners Inc. All rights reserved..