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執筆者: 酒井謙吉
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翻訳事始めのこの記事を足がけ4年近くにわたって書き続けてきましたが、今までに通訳ということを取り上げて記事にしてみることは一度もありませんでした。 確かに通訳と翻訳とは、似て非なるものでありますから、翻訳事始めの中で通訳をテーマにして記事として取り上げるということはしなかったわけです。 私自身も要請があれば通訳者としてお客様のところまで出向くという程度のスタンスしか意識していませんでしたので、あくまでも弊社のコアビジネスは、翻訳という姿勢を創立以来貫いてきた次第です。 しかしながら、今回は通訳の仕事と翻訳とを比較してみた中での、いくつかの新しい考察を皆様方にもシェアしてみたいと思い、通訳について取り上げてみることにいたしました。

前置きが長くなりましたが、翻訳はTranslationで、通訳はInterpretationで、日本語でも英語でも表現の仕方は似てはいるものの、明らかにこの二つは区別されています。 今さらいうまでもないことなのですが、翻訳は、文書上で訳を行うことであり、通訳は、口語上の言葉で訳を行うことです。 ところがアメリカでは、多くの人がこのTranslationとInterpretationとの違いを明確に理解しておらず、文書と口語上の言葉とどちらのケースにもこの二つが、ミックスされて混同して使われる傾向にあります。 その理由としては、アメリカの高校までの義務教育では、外国語の履修はあくまで選択教科の科目のひとつにすぎないため、外国語というものをまったく学習したことがないという人が少なからずいるからではないかと考察されます。 またグローバル化の進展によって世界のどこへ行っても英語が通じるのではないかというような神話めいたことを信じて疑わない人もアメリカの中ではそれほど珍しいことではないからです。

当然アメリカにいて普通に生活している以上、英語以外の外国語で本を読んだり、映画を見たりというようなことはほとんど必要がないことですので、アメリカ以外にすむ非英語圏の国々の人たちがどんなに苦労して英語を習得し、文書や会話で英語を使っているかということに理解を示すこともあまりないわけです。 英語以外の他言語で書かれた書籍や文書の翻訳作業ということも普段意識するようなことはほとんどありませんので、翻訳や通訳という言葉や概念自体がどうも希薄なものにならざるを得ません。 したがって、普通のアメリカ人は、翻訳と通訳の明瞭な違いということなど意識することもあえてしないという状態に置かれるわけです。

しかしながら、翻訳と通訳とは、異なる言語間での訳を行うという作業自体は同じですが、それ以外では、ずいぶんと異なる作業プロセスであることは、このどちらの作業をもご経験したことのある方でありましたら、十分お分かりになっていただけるだろうとお察しいたします。 私がお知り合いになった方々でも翻訳も通訳も両方ともほぼ均等に、かつ素晴らしい能力を持ってこなすことのできる方というのは今までほとんどお目にかかったことがありません。 それは要求されるスキルセットの質が大変異なるのと、性格的な向き・不向きという面も多分に影響しているからだと考えます。

やはり言うまでもないことなのですが、翻訳と通訳の大きな違いのひとつに、翻訳はグーグルなどの検索エンジンを駆使して、自分自身で調べ上げることによって訳の品質を高めていくことが出来ますが、通訳はその場限りの作業プロセスになりますので、ウェブサイトにアクセスして、検索エンジンで調べ物をしてなどということは通常まかり通りません。 もちろん事前にグーグルで対象となるテーマについて調べることは出来ますが、通訳はいわば“出たとこ勝負”的な要素が常につきまといますので、前もって調べたことが常に役に立つという保証はどこにもありません。つまり通訳の方が翻訳に比べて犯すリスクが確かに高いわけです。

そのために、どんなリスクも極力避けたいという安全志向の強い方には確かに語学能力がどんなに高い人であっても通訳は、向いていないということが言えるでしょう。 逆に取るべきリスクは取るという姿勢を持つ人には、通訳は向いているとも言えるでしょう。 そして他人と話をしたり、おしゃべりを楽しんだり、あるいは社交などでのお付き合いをすることが好きという人も通訳には合っていると申せましょう。 知らない人と会ったり話をしたりするのはどうもは苦手と感じる方には、確かに通訳すること自体が苦痛で、避けたいことに違いありません。 それでも世の中はそのどちらに当てはまるのか、自分自身でも明確に分かっている方々ばかりでもないはずなのです。

通訳はどちらかというと今までは頼まれ仕事の延長ということでお受けしていたこの私も自分には通訳が向いていると感じたことはほとんどありませんでした。 しかし、通訳の場数をこなし、アメリカと日本との言葉と言葉以外での様々な違いがだんだんと見てるようになってきた今は、通訳が少なくとも自分の中で非常に楽しい仕事に様変わりするようになってまいりました。 それは、言葉を聞くことによって、ああこの人はこういうことを言いたいのだなという言い手の本質をかなり正確に知りえるような“気付き”が自然と涌いてくるようになったからだと思います。 それは勘が働いてそのような気付きとなっているのではないだろうかと言えるのですが、それを可能にしてくれているのは、言葉の表層だけでは捉えきれない部分での文化面や社会性における内面での蓄積が長年かけて出来てきたからではないかと感じる次第です。

翻訳は確かにリサーチを効果的にそして緻密に行うことによって、経験で得られる以上の成果を発揮することが出来る分野だと思いますが、通訳は、先にも申し上げました通り、そのような事前のリサーチがあまり効かないというか、当てにならない博打的なところがあり、勘を働かせて一発勝負にどうしても打ってでなければならないという側面がありますので、頼るところは己の経験と柔軟性ならびに守備範囲が広いということがひとつの武器になります。 ある特定分野での専門知識を深く持つことも無論重要なことではあるのですが、多くの領域に関して浅くとも広範囲な知識を蓄積するということも、通訳者の努力としては、スキルを磨く上でより重要ではないかと考えます。

通訳を何度も経験することによって、翻訳スピードが最近になって速くなるという副産物的なメリットが自分が翻訳をする上で身に付いてきたのは、意外な恩恵でありました。 恐らくそれは、常に観察と勘とを働かせながら、通訳に取り組まなかれなばらないという姿勢がもたらせてくれた恩恵ではないかと思います。 通訳の場を何回も重ねる中で、翻訳のスピードと精度とが増していくというのは、考えてみれば当然のことなのかもしれません。 自分の性格的なものを見極めることは重要ですが、世の中には、「食わず嫌い」ということもありますので、人間、何歳になっても新しいことに挑戦するという気概は必要ではないかと思っています。

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