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執筆者: 酒井謙吉
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技術翻訳やビジネス・コンサルティングを主要業務とする Pacific Dreams, Inc.
日頃から翻訳を生業として業務を行っておりますと、技術系のクライアントであるお客様から、テクノロジーに十分精通している翻訳者だけを厳選して、翻訳を行ってほしい、あるいは技術系の業界で実際に仕事をしたことのある翻訳者を探して翻訳してもらいたい、さらには、その翻訳者の経験が十分であるかどうかを見極めたいので、名前や連絡先は隠して構わないから、履歴者または経歴書を出してほしいという、こと細かなリクエストを打診されることがあります。なるほど、高度な専門分野における技術翻訳の場合、その分野や業界で実際に技術者として働いた経験があるかどうかをチェックするというのは、確かに最初に訊いておいて決して損する類の質問ではないのですが、「技術者 = 優秀な翻訳者」という構造は、必ずしも常に成り立つわけではないということも事実です。今回の「翻訳トーク」では、翻訳者として要求される専門知識について考察したいと思います。

日本では、文科系・理科系という名目上の棲み分けがキャリアの中でたいそう幅を利かせておりまして、その応用系として「英語ができる = 文科系」、その逆で「英語は苦手 = 理科系」というような、しごくもっともらしい図式が私の学生時代(今から20数年前の話で恐縮なのですが)にはしっかり存在していたように思います。当時は文科系で英語が得意でないと、かなり肩身が狭かったように感じられましたし、理科系でなまじ英語が得意だということになりますと、エイリアンのように他人から見られていた時代でした。そのような文科系・理科系という枠組みの呪縛が発端となって、英語は技術がわからない文科系の人間が翻訳しているので、英語的にいくらスペルや文法が正しくても、専門用語や技術表現、さらには論理的思考の組み立てに欠落している人間が翻訳をしているのではないかという大変うがった見方がなされていました。

しかしながらこのような考え方は最近では、かなり是正されてきているのではないかと思います。特にアメリカの大学では、日本のような文科系・理科系という棲み分けはもともとありませんでしたし、文科系や理科系という枠組みをあえて取り払う「学際的」な(英語では、“Inter-discipline”と呼ぶ)傾向が時代の流れに沿ってますます強まっているように感じます。 そうなってまいりますと、文科系・理科系という枠組みは大学で今後は意味をなさなくなり、まして実世界では、文科系出身者であろうが理科系出身者であろうが、海外に出張や駐在で出向かなければならない立場であれば、語学は必要不可欠ですし、文科系だから、自社の技術的な話は社内のエンジニアにすべてお任せということでは到底済まされなくなるということは今さら言うまでもないことです。

翻りまして、翻訳者の場合、確かに理科系出身者よりは文科系出身者の方が圧倒的に多数派を形成していることは確かですが、今では文科系の方々も皆コンピュータを使って、仕事をされているのですから、中には、理科系出身者でも到底太刀打ちできないくらいコピュータに関して詳しい知識や専門性を身につけていらっしゃる文科系出身の翻訳者の方々も大勢いらっしゃいます。しかも、インターネットのサーチエンジンを駆使しておおかたの技術用語や専門知識についてもホームオフィスにいながらにして容易に検索して、浅く広い理解をきわめて短時間のうちに今ではやってのけることができます。とりわけ優秀な翻訳者の方々の中には、「検索の鬼」とか、「リサーチの鉄人」とか、まわりから呼ばれている方々がいて、それこそすさまじい情報量を瞬時のうちにインターネットの大海から取り出せるスキルを磨かれています。

くどいようですが、そんな世間の激変する環境の中で、私としては20数年前に大学の理工学部を卒業したからということが、どれだけのクレジットを技術翻訳に対して与えてくれるものかは、疑問に感じることがあります。(その頃は、パソコンさえ世の中には出ていませんでした。)もちろん、大学で専攻した学問領域を否定する気持ちなど毛頭ありませんが、やはり本人の学歴だけではなく、その一人の翻訳者の方がどのような職歴を今までに経験され、どのような分野での翻訳を数多く今までこなされてきたかというしごく当り前のことが最も翻訳の専門性について信憑性を持つように思われてなりません。その意味で、翻訳者も私は理科系の人間ではないからと技術翻訳に尻込みしたり、仕事への挑戦を回避するようでは翻訳者としての将来の発展は期待できません。専門知識を他の優れたスキルで補って余りある実力のある翻訳者となれるよう、(あえて文科系出身の)翻訳者のご奮闘を今後とも期待したいものです。

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