Shigotosagashi.com - バイリンガルのための就職情報サイト

執筆者: 酒井謙吉
Pacific Dreams, Inc.
25260 SW Parkway Avenue, Suite D
Wilsonville, OR 97070
Phone: (503) 783-1390
Fax: (503) 783-1391
www.pacificdreams.org
技術翻訳やビジネス・コンサルティングを主要業務とする Pacific Dreams, Inc.
読者の皆さんの多くが、「自動翻訳」あるいは、「機械翻訳」という言葉をお聞きになったことがあるのではないでしょうか。言うまでもなく、これはコンピュータのソフトウェア上で入力した文書を自動的に翻訳してくれるシステムのことを指しています。

文章を逐次的に翻訳するものと、文章全体を一括して翻訳するソフト(あるいは、両方の機能を併せ持つソフト)とがありまして、現在、こういったソフトウェアが市販品として数多く流通しています。しかもそれらソフトウェアの値段も最近ではかなりお手ごろなものとなってきていますので、例えば仕事で使うことを考えれば、投資としてはそれなりに十分見合うものとなるのではないかと思われます。

このように書きますと、自動翻訳というものをまだよく知らない人からすれば、すでに「翻訳」というのは、ソフトウェアによって自動的に行われているもの、あるいは、もう人間によって翻訳は行われていないのではないかというような錯覚にさえ陥ってしまうのではないでしょうか。もし、これが真実であるとしたら、世界中にいる翻訳者はすべて即刻「失業」し、翻訳会社もすぐさま「廃業」しなければなりません。

しかしながら、ご安心下さい、現実は決してそのようなことはないのです。自動翻訳ソフトを使ったことのある人であれば、おそらく世界の翻訳者が失業するようなことは、これからあと数10年の間は起こり得ないだろうとの確信を得るのは間違いないものと私には思えます。

こんなことを書くと、自動翻訳ソフトウェアを開発しているソフトウェア・メーカーの方から非難やお叱りを受けそうでありますが、残念ながら、現在の市販ソフトウェアでは自動翻訳された文章は、読んで意味が理解できるという領域まで、まったくと言ってよいほど到達していません。しかもそのギャップは極めて大きすぎるため、あと10年以上は少なくともそのギャップを埋めるためのリサーチや基礎研究に費やす時間を要するものではないかと思う次第です。

つまり、人間の書く文章というものは、得てして複雑な構文といくつかの意味などが掛け合わせられた単語から成り立っていることがあり、それらは現在のソフトウェアの能力では簡単には見抜くことができないからなのです。確かに ”This is a pen.” であるとか ”I have a book.” などという単純極まりない文章であれば、市販のソフトウェアでも、たちどころに見事な翻訳をしてくれます。言うまでもないことですが、ほとんどのユーザは、そんな初歩的なレベルの文章を自動翻訳ソフトを使って翻訳することを期待しているわけではないのです。

私は言語学者ではありませんので、うかつなことを言うのは差し控えたいのですが、英語でも日本語でも形容詞というものがありまして、その形容詞がどの名詞にかかっているのか、それを見抜くのは確かに単純ではないことがあります。また、英語には、ひとつの単語が複数の意味を持つことが普通ですから、どの意味を当てはめるのかをソフトウェアにゆだねるというのは、リスクが発生するということになります。

例えば、”ABC Company started South Plant in Southern California.” という文章を、ある市販の自動翻訳ソフトウェアを使って翻訳してみましたところ、「ABC社は、南カリフォルニアで南部野菜を始めた」という翻訳文章が出てきました。”South Plant” を「南工場」と訳す代わりに「南部野菜」と翻訳ソフトウェアは解釈してしまっているわけです。

さらに日本語を英訳するときには、日本語の文章に主語がないのはまあ仕方のないこととしても、目的語さえ省略されてしまっていることさえあります。このような非常に曖昧な書き方が普通である日本語の独特な表現に対して、自動翻訳ソフトウェアは、人間と以心伝心をはかって、「痒い所に手が届くような」解釈をして翻訳をしてくれるということは今のところはまったく不可能な段階にあるといえます。

今世紀の中ごろまでには、人間の脳の構造や人工知能の研究というものも現在と比べれば、大幅な進歩を遂げることになるでしょう。しかし、自動翻訳を実際に使えるようにするために、語学的な解析や単語のデータベース化、さらに統計的手法をいくら駆使したところで、限界があるものと思います。人間の脳に似た学習機能を持ったソフトウェアであるとか、人工知能の応用研究分野が自動翻訳ソフトウェアの世界にも生かされてこなければ、自動翻訳の実用化はきっとおぼつかないことでしょう。

確かに ”South Plant” を「南工場」と訳すように単語をソフトウェア上でデータベース化させて精度を上げることはできます。しかし実用面で言えば、そのような単語のデータベース化をいちいち人間の手で行ったり、さらにそれを調整しなければならないようなソフトウェアであるなら、いっそゼロから翻訳者に翻訳をしてもらった方が、現在でも時間とコストはずっと安上がりであると経験上、断言することができます。

映画に出てくるような人工知能や人間と自由に話のできるロボットがまだまだ夢物語の段階であるのと同様、本当に実用化に耐えられる自動翻訳ソフトウェアは、いまだ「道はるか遠し」と言わざるを得ません。というわけで、翻訳者も翻訳会社に働くスタッフもジョブ・セキュリティについては不安視することなく、当面は、自身の翻訳業や会社での翻訳業務に全力を注ぐことができるわけです。

仕事探し.comはワシントン州・オレゴン州を中心にバイリンガルの人材を紹介・派遣しています。


履歴書をお持ちの方はクイック登録が可能!


優秀なバイリンガルをお探しの企業様はこちら


個人情報・履歴書のアップデートはこちら





帰国GO.com - 留学生のための就職活動サポートサイト
日本での仕事をお探しの方は、帰国GO.comへ



Shigotosagashi.com / 仕事探し.com - ワシントン州・オレゴン州の求人情報サイト

Global Career Partners, Inc.
Copyright © 2005 - 2017 Global Career Partners Inc. All rights reserved..